【企業選びに関して】
前書き
私は学部の人と比べると2年遅れの就職です。新卒が3年で3分の1が辞めるという話もあり、周りでもうすでに転職している友達も出てきました。このようなことからも終身雇用の前提が崩れ始め、転職のハードルが低くなってきている現代社会の流れを感じつつあります。とは言っても新卒で入る企業を適当に選んでいいわけではありません。企業の選び方は重要な問題であり、人それぞれで何を重要視するかによって大きく変わってくると思います。今回はこの辺りについて少し述べたいと思います。
選択するための軸は何か
「やりたいこと」、これが一番にくるといいですね。この企業に入ってこんな仕事がしたいと心から思えた時にまず一つ考えなければならないのは配属リスクです。自分がこのような仕事をしたいと思っていてもそこに所属できない可能性があります。製薬企業などでは比較的採用段階でルートが分かれていますので希望の職種で仕事ができます。製薬では研究、開発、CMCと分かれており、企業によっては研究の中でも合成研究、臨床研究など、CMCでは分析、製剤、プロセスなどさらに細分化して募集している企業もあります。化学メーカーでは技術系総合職という形で理系院卒を採用してそのあとに基礎研究、応用研究、生産技術、製造技術のような職種に振り分けられます。そして扱う材料ごとによっても細かく違ってきます。なかなか就職活動をする段階で自分にはこれだっていうものを決めるのは大変かもしれませんが、このあたりでも業界による違いが感じられると思います。もしこの仕事がしたいと思っていても自分がその仕事に就けない場合もあるということが納得できるかを考えておきましょう。私はきちんとやりたいことが明確にできていなかったので化学メーカーがむしろ好都合でした。
勤務地も重要な要因だと思います。メーカーでは工場を持っていますが、基本的に工場は僻地にあることが多いです。田舎の生活に慣れている人は特に抵抗がないですが、都会でずっと生活をしている人からするとかなりストレスを感じると思います。特に冬に雪が積もる地域などは覚悟しなければなりません。職種が変わると勤務地が変わることもあります。例えば研究所だけは都会にあるという企業もあるにはあるのでこの辺りはきちんと見ておく必要があると思います。
そして重要な要因でありながら調べるのが難しいのが年収です。新卒を募集している企業では初任給を公開しています。しかしこれがなかなか厄介でこれが基本給なのか、色々な手当てを含んでいるのかなど分からない場合があり、きちんと表記がない場合は注意が必要です。さらに重要なのは伸び率であってこれも初任給だけでは判断できません。上場している企業に関しては有価証券報告書を提出しなければならないため、総合職や一般職を合わせた全従業員の平均年収を知ることが出来ますので、この数字からある程度の伸びを推測することが可能です。ただ化学メーカーでは製薬企業などに比べて現業の方が多いため、総合職の年収は平均年収よりも高くなるということが知られているので、これらの考慮が必要です。
振り返ってみると思うこと
自分の軸は研究内容と勤務地でした。今まで研究してきたことを生かしたいという気持ちが強かったので自分が役に立てそうな分野をやっている企業を受けました。化学の研究をして、化学メーカーを受けていたので書類選考や面接では非常に説明しやすかったです。志望動機も研究概要も理解されやすかったです。ただ研究をしているといってもたかが3年間であり、企業で60歳まで働くと考えると36年間程あります。研究を行ってきて身についた専門性は大切な知識ではありますが、普遍的に仕事に役立つ能力である文章を書く力、論理的に考える力なども同時に鍛えられているはずです(あまり自分としては実感はありませんが)。選考を通してこれらの力が見られているということを感じることもあったので、化学メーカー以外の企業でも専門性が違っていても求めてくれる企業はあるはずです。化学の研究をやっているとは言え、化学メーカーの技術職が自分に本当に向いているのかも分かりません。そういう意味ではもっといろいろな業界を見ておいてもよかったのかなと思いました。

