【書評】「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本

私がこの本を読もうと思ったきっかけ


私は研究開発の仕事をしている。この職種というのは会社によって進め方は大きく違うと思うが、チームとして進めながらも実態は個人プレー。自分の成果をがつがつと積極的にアピールできる人じゃないとなかなか厳しい職場である。その時点で非常に苦手分野なのだが、さらに私は周りの人が気にしていないようなことでもどうしても気になってしまう。気にしなくていいよと言われるし、自分でも自分に気にするなと働きかけているはずだが、それでも難しい。


そのほかにも事実ベースでなければ、なかなか自分から発信することができない。妄想レベルの仮説やメカニズムを提案して、それをもとにディスカッションしていくことも苦手。おそらくテーマ自体もかなり難易度が高く、色々な人にアドバイスをもらいながらも色々とトライしているがなかなか思うようにいかない。テーマ自体が難しいと思いながらも優秀なあの人だったらうまく進めているのかなとかグルグルと考える。自分を守るためにも自分に向いている仕事はほかにあるんだと励まそうとしているけれど、それも隣の芝生が青く見えているだけなんだろうなとも思ってしまう。そして、そんな自分に嫌気がさして少しずつ仕事が嫌に、自分が嫌いになっていってしまう。考え方を変えていかないとこのままでは仕事を続けていくのは厳しいのではと思い始めていた。


まずはネットで色々と自分と同じ境遇の人がいないか、自分のような性格の人はどうやって生きていっているのかを調べた。すると現代社会では意外とこのようなことで悩んでいる人が多いことを知った。いくつかキーワードが上がってきたが、その中で多かったのがHSPであった。Highly Sensitive Personと呼ばれる気質で日本語にすると敏感な人ということ。もし自分がそこに当てはまるなら何か生きやすくなる方法があるのかなと思って調べようと思った。そこで出会ったのが、HSPカウンセラーの武田友紀さんの「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本だった。

現代の生きづらさにどう立ち向かうか


本書で一貫して述べられているのは、HSPの人が生きづらい現代で自分がどのような考え方を持っていたら生きやすくなるのか。その具体的な方法としては、自分が繊細であることを認めて受け入れる。特にこの繊細さは克服すべき課題ではなく、自分にとって良いものととらえる。その次に自分の繊細さが活かすことができる場面を見つけてそれに取り組むこと。内容としてはこれに尽きるのだが、これは言葉にすればそれだけだが、実際にこのような心の状態を保つことは非常に難しいと思った。


この繊細さというのは性格の問題ではなく、生まれつきの気質の可能性がある。もしそうだったならば、その気質を否定するのではなく、受け入れて肯定しながら一緒に生きていこうという姿勢が大事。例えばある嫌なことがあったりして、それを非繊細さんに相談したところ、そんなことは気にしなくていいというかもしれない。でも実際にそのアドバイスを実践するためにはかなりの時間と新しい考え方のインストールとトレーニングが必要。

特に新たな考え方のインストールが重要だと考えている。私も以前からそうだったのだが、ある嫌な出来事があったときにそのことを嫌なこととして考えてしまう自分がだめなんだ。さらに、気にしなくてよいことを気にしてしまい、必死にそれを否定しようとする自分。繊細な人が考えないといけないのは気にしない方がいいことを気にしないようにすることを意識するのではなく、気にしない方がいいことを気にしたうえで、それに対して自分がどう意味づけできるか。自分の心にダメージを与えないように処理することができるか。

その具体的な手法について、まず自分が五感のどの部分が繊細なのかを見つめなおす。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚とどの受容器官が自分にとってストレスになりやすいのか。私は聴覚と嗅覚が比較的繊細なのだと思う。そのため、聴覚に対してはノイズキャンセリングヘッドホンを使用することで非常に集中力が上昇することが分かった。CPUのファンの音やエアコン、冷蔵庫の音が全く聞こえなくなるのがよかったのかと思う。嗅覚はまだ実感するレベルにはないが、自分の好きな芳香剤を色々と試しながら見つけようとする途中である。

まずは自宅でいいので自分が快適だと思う場所にしてみる。何となく快適だというのを突き詰めていくことで、自分の好きなものがよりわかる。その過程を通して自分のことを大切にすることの幸せが分かる。それを続けていけたらいいよねという感じ。

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