キャリアについて考えるときもある

今働いている素材メーカーに入社してからそれなりの年月が経った。若手ではあるけれど、少し中堅に近づく段階。一通りの仕事はできるようになり、自分の軸というものを持って仕事をしていくような段階に差し掛かりつつある。ただその軸というものが見つかっていないし、やりたい仕事というのもよくわからない。研究開発の仕事はしんどい割に報われないという意味でコスパが悪いと思うことさえある。だから周りの同僚は上を見て頑張っているが、私自身は間接部門とかそういった仕事でもいいんじゃないかと思っているところもある。

今後は世の中的に自動化やシステムの改善によって、誰にでもできる仕事は淘汰されていくと言われている。そもそも簡単な仕事は時給が安いといった弊害等もあるだろう。だからこそこの世の中では、自分にしかできない仕事というのを作り上げていくことが重要だろう。そういう意味では研究開発という仕事はオリジナリティが比較的出しやすい仕事だと言える。自分のアイデアを出して、それに対して試行錯誤をする。うまくいった結果に対しては特許や製品といったふうに形に残る。ただ自分自身の所属している部署が扱っている材料はマイナーな材料である。だからここで頑張っていることで自分の中に積み上げられている感覚が薄いように思う。もちろん材料が違っても共通の仕事の進め方はある。自分が今の仕事を楽しめていないからこういったことを考えてしまうんだろうな。

正直な話、他の間接部門の部署の仕事は比較的誰にでもできる仕事が多いんじゃないかと思っている。製造まで行った材料の定常業務に対するフォローとか事務作業とかだし、マニュアルもしっかりある。我々が新しい材料を持っていくときは嫌な顔をされながら、渋々やってもらう。会社の次の飯の種を生み出すために頑張っているし、今までの研究開発員がいるからこそ給料がもらえているはず。ただ開発は花形と言われつつも色々な部署にイレギュラーなお願いをすることが多く、肩身は狭い。

隣の芝生は青いということは存分にあると思うが、開発部署は他部署よりも残業も多い。前述したように仕事の難易度も個人的には高いと思っている。しかし、他の部署の人も同じ年次ならほとんど同じ給料をもらう。そのため、不公平感は強い。でも本来なら研究開発という部署でしか経験できないことはたくさんある。新しい材料を開発して世の中に生み出せることはやりたくてもやれない人はたくさんいるだろう。それに付随して色々なことを業務を通して勉強できる環境にもある。それなのに自分がコスパという判断基準を持ち出してしまうことが悲しい。部署の人たちは自分と似たような人たちが多いので、自分の環境が当たり前だと思っているが恵まれているんだろうなとは思う。

しっかりと研究開発で積み上げていくことは自分の思っているよりか価値のあることなんだと思う。今はそうは思えていないけれど、安易に誰でもできる仕事に行かないようにした方がいいんだろうなと思う。隣の芝生は青すぎて眩しいけれど、自分を肯定しながらもう少し頑張っていきたいと思う。

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